自分の先々のことで心配なら、元気なうちに任意後見制度を活用しよう
任意後見制度とは
- 充分な判断能力があるうちに、将来認知症になってしまった時に備えて、あらかじめ選んだ代理人に自分の生活、療養看護、財産管理について代理権を与える契約を結ぶ制度のことです。
- 信頼できる人がいなければ、任意後見受任者を行政書士、司法書士、弁護士、社会福祉士などに頼むことができます。
- 公証役場で公正証書を作成します。
- 必要書類は委任者:印鑑証明、戸籍謄本に住民票。受任者:印鑑証明と住民票。
- 任意後見は公証人の嘱託により東京法務局に登記をされます。
- 任意後見監督人が選任される前は、本人、任意後見受任者、代理権の範囲。
- 選任された後は本人、任意後見人、任意後見監督人、代理権の範囲が登記されます。
- 登記された内容は登記事項証明書を取得して権限があることの証明となります。
- 費用は一契約につき1万1千円他登記嘱託料1400円、印紙2600円。
- その他、書留郵便料金、謄本作成料金などです。
- 見守り契約(生前事務委任契約)も一契約分の費用が掛かります。
- 認知症と判断されて、自分の選んだ人(任意後見受任者)に家庭裁判所が選任した監督人(任意後見監督人)がついてはじめて任意後見契約が実行されます。
- 任意後見契約がスタートするまでの間は、見守り契約(生前事務委任契約)を結べば、受任者に面倒を見てもらうことができます。
もうすでに認知症になっていたら、家庭裁判所に申し立てをして審判を受けます(法定後見制度)
法定後見制度とは
- 本人、配偶者、4親等以内の親族の申し立てにより家庭裁判所に請求します。
- 家庭裁判所の審判で後見開始します。
- 調査→鑑定→審判まで約2か月かかります。
- 認知症の程度により、後見人、保佐人又は補助人(出来る仕事の範囲が違います)が選任され法定成年後見制度が開始します。
- 法務省ホームページはこちら
成年後見の申請は家庭裁判所に
後見等申立ての手続き
- 後見・補佐・補助 開始申立書の作成
- 事前に家庭裁判所にて、説明を受けて下記書類を頂き、必要書類を準備する。
- 親族関係図を作成する。
- 申立書付表(付表1~3)
- 付表添付資料(収支予定表、財産目録を記入)
- 親族の同意書
- 主治医の診断書(成年後見等専用の診断書)
- 本人(後見の必要な方)の戸籍謄本(全部事項証明書)を役所で発行してもらう。
- 本人が成年被後見人の「登記をされていないことの証明書」を東京法務局から取得する。
- 本人及び後見人候補者の戸籍附票又は住民票
- 全ての書類は3か月以内のものです。
- 費用は申立て手数料800円~2,400円、登記手数料2,600円、郵便切手4,000円程度。
審判がされると
後見事務の報告
- 審判書謄本と事務連絡の書類が交付されます。
- 初回の事務報告は収支予定表と財産目録を作成して提出します。
- 期限内に提出しないと後見人として不適任とみなされます。
- 不適任とみなされると弁護士などの士業専門職の人が後見人に選任されます。
- 後見人になったことを証明する「登記事項証明書」を発行してもらいます。
- この証明書があれば本人に代理して、法律手続きができます。金融機関の手続きもできます。
- 本人が従来行っていた銀行取引、保険契約等によっては後見人の氏名を届ける必要が出てきます。
- 被成年後見人の財産を守るための、家庭裁判所の指示がなければ引き出せない預金を開設します。
- 後見支援預金口座といって家庭裁判所から〇○万円を預金するよう指示があります。(例外もあり)
- 成年後見信託を利用することもありますが費用が掛かりますので信託銀行に問い合わせ下さい。
- その後、定期的に報告をすることになります。
- 下の写真左が審判書謄本、右は登記事項証明書